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- 【テンプレート付】RFPの書き方とは?業種別の記載例と選定されるポイント
公開日:2026.04.27(月) 更新日:
RFPの書き方とテンプレートを実務向けに解説
システム導入やプロジェクト推進において、ベンダー選定の成否を左右する重要な文書がRFP(提案依頼書)です。
適切なRFPを作成できなければ、自社の要件に合わない提案が集まり、プロジェクトの失敗リスクが高まります。
本記事では、RFPの書き方を基礎から実践まで網羅的に解説します。
テンプレートや業種別の記載例、ベンダーから選定される提案を引き出すためのポイントまで、具体的なノウハウを提供します。
これからRFPを作成する担当者から、より精度の高い提案依頼書を目指す方まで、実務に直結する情報をお届けします。
RFPとは?

RFP(Request for Proposal:提案依頼書)とは、企業がシステム導入やサービス構築を外部のベンダーに依頼する際、自社の課題や要件を明示して提案を求める文書です。
単なる見積依頼ではなく、プロジェクトの背景、目的、要求事項、評価基準まで包括的に記載することで、質の高い提案を引き出します。
RFPが必要とされる背景
現代のビジネス環境では、システムやサービスの選択肢が多様化しています。
企業が抱える課題も複雑化しており、単純な機能比較だけでは最適なベンダーを選定できません。
RFPを作成することで、以下のような効果が得られます。
- 自社の要件を整理し、プロジェクトの方向性を明確化できる
- 複数のベンダーから比較可能な提案を受け取れる
- 評価基準を事前に明示することで、公平な選定プロセスを実現できる
- プロジェクトの成功率を高め、導入後のトラブルを防止できる
実際に、RFPを適切に作成した企業では、要件定義の手戻りが減少し、プロジェクト期間が平均20%短縮されるという調査結果も報告されています。
RFPとRFI・RFQの違い
提案依頼に関連する文書には、RFP以外にもRFI(情報提供依頼書)やRFQ(見積依頼書)があります。
それぞれの目的と使い分けを理解することが重要です。
| 文書種類 | 目的 | 使用タイミング | 記載内容 |
|---|---|---|---|
| RFI | 情報収集 | プロジェクト初期段階 | 市場動向、技術情報、ベンダー能力の確認 |
| RFP | 提案依頼 | 要件が明確化した段階 | 課題、要件、スケジュール、評価基準 |
| RFQ | 見積依頼 | 仕様が確定した段階 | 詳細仕様、数量、納期、価格条件 |
一般的なプロジェクトでは、RFIで情報を収集し、RFPで提案を募り、最終的にRFQで価格を確定するという流れになります。
ただし、プロジェクトの規模や性質によっては、RFPから始めることも少なくありません。
RFP作成の準備|成功する提案依頼書の書き方

RFPの品質は、作成前の準備段階でほぼ決まります。
自社の課題を明確にし、プロジェクトの目的や体制を整理することで、ベンダーに的確な情報を提供できる提案依頼書が完成します。
ここでは、RFP作成に着手する前に必ず行うべき準備について解説します。
現状の課題と目的の明確化
RFPを作成する前に、なぜこのプロジェクトが必要なのか、何を解決したいのかを明確にする必要があります。
現状の業務プロセスを可視化し、具体的な課題を洗い出しましょう。
課題の明確化においては、以下の視点で整理することが効果的です。
- 業務効率に関する課題(作業時間、人的コスト、手作業による非効率など)
- データ管理に関する課題(情報の分散、データの不整合、セキュリティリスクなど)
- 組織・体制に関する課題(部門間連携の不足、属人化、スキル不足など)
- 競争力に関する課題(市場対応の遅れ、顧客満足度の低下、新規サービス展開の困難など)
目的については、単に「業務を効率化したい」といった抽象的な表現ではなく、「受注処理時間を現状の50%削減する」「データ入力ミスをゼロにする」といった定量的な目標を設定することが重要です。
プロジェクト体制とスケジュールの策定
RFPには、自社のプロジェクト体制とスケジュールを明示する必要があります。
これにより、ベンダー側も適切なリソース配分と提案内容を検討できます。
プロジェクト体制では、以下の役割を明確にしましょう。
- プロジェクトオーナー(意思決定者)
- プロジェクトマネージャー(推進責任者)
- 各部門の担当者(業務要件の提供、システムテストの実施など)
- 情報システム部門の担当者(技術要件の確認、インフラ整備など)
スケジュールについては、RFP発行から選定、契約、開発、導入までの全体スケジュールを提示します。
特に重要なのは、提案書提出期限、質疑応答期間、プレゼンテーション日程、選定結果通知日などの具体的な日程です。
現実的かつ十分な検討期間を設定することで、質の高い提案を引き出せます。
予算とリソースの把握
予算の明示方法には様々なアプローチがありますが、透明性と競争性のバランスを考慮する必要があります。
予算を明示する場合は、上限金額や予算レンジを提示することで、実現可能な提案に絞り込めます。
一方、予算を非開示にする場合は、ベンダーの創意工夫を引き出せる可能性がありますが、想定外の高額提案が集まるリスクもあります。
予算以外のリソースとして、以下の点も整理しておきましょう。
- 自社から提供可能な人的リソース(専任・兼任の別、投入可能な工数)
- 既存システムやインフラの情報(連携が必要な場合)
- 導入環境の制約条件(セキュリティポリシー、ネットワーク環境など)
これらの情報を事前に整理することで、RFPに必要な項目が明確になり、作成作業がスムーズに進みます。
RFPの基本構成と各項目の書き方

RFPには決まった形式はありませんが、プロジェクトを成功に導くための標準的な構成があります。
ここでは、効果的なRFPに必要な項目と、それぞれの具体的な書き方を解説します。
プロジェクト概要と背景
RFPの冒頭では、プロジェクトの全体像を把握できる概要と背景を記載します。
ベンダーがプロジェクトの重要性や緊急性を理解できるよう、簡潔かつ具体的に記述しましょう。
プロジェクト概要の記載内容
プロジェクト概要では、以下の要素を含めます。
- プロジェクト名称
- プロジェクトの目的(何を実現したいのか)
- 対象範囲(業務範囲、部門、ユーザー数など)
- 期待する成果(定量的な目標を含む)
例えば、「全社的な販売管理システムの刷新により、受注から納品までのリードタイムを30%短縮し、在庫管理精度を95%以上に向上させる」といった具体的な記述が効果的です。
背景と課題の説明
背景では、なぜこのプロジェクトが必要になったのか、現状の課題は何かを説明します。
業界環境の変化、事業戦略の転換、既存システムの老朽化など、プロジェクトを推進する理由を明確にしましょう。
課題については、単に問題を列挙するだけでなく、それが事業に与える影響も記載することで、ベンダーが解決策を検討しやすくなります。
要件定義
要件定義は、RFPの中核となる部分です。
機能要件と非機能要件を明確に区分し、それぞれを詳細に記載することで、自社のニーズに合った提案を引き出せます。
機能要件の記載方法
機能要件では、システムやサービスが実現すべき具体的な機能を記載します。
業務プロセスごとに整理し、必須機能と希望機能を区別することが重要です。
| 優先度 | 説明 | 記載例 |
|---|---|---|
| 必須(Must) | 実現されなければプロジェクトが成立しない機能 | 受注データの自動取り込み機能 |
| 重要(Should) | 可能な限り実現してほしい機能 | 在庫予測アルゴリズムによる発注提案 |
| 希望(Want) | あれば望ましい付加機能 | モバイル端末からの在庫照会 |
機能要件は、「〜できること」という形式で記載し、曖昧な表現を避けます。
例えば、「使いやすい画面」ではなく、「3クリック以内で受注登録が完了できること」といった具体的な要求を記載しましょう。
非機能要件の明示
非機能要件は、システムの性能、可用性、セキュリティ、保守性など、機能以外の品質要件です。
見落とされがちですが、導入後の運用において極めて重要な項目です。
非機能要件として記載すべき主な項目は以下の通りです。
- 性能要件(処理速度、同時接続数、レスポンスタイムなど)
- 可用性要件(稼働率、障害復旧時間、バックアップ方針など)
- セキュリティ要件(認証方式、アクセス制御、データ暗号化など)
- 拡張性要件(将来的なユーザー増加、機能追加への対応など)
- 保守性要件(運用管理のしやすさ、ログ管理、監視機能など)
- 移行要件(既存データの移行方法、移行期間、検証方法など)
これらの要件も、可能な限り定量的に記載することで、提案内容の比較評価がしやすくなります。
提案依頼事項と提出書類
ベンダーに何を提案してほしいのか、どのような書類を提出してほしいのかを明確に指示します。
提案依頼事項では、以下のような内容を求めることが一般的です。
- システム構成図(インフラ、ネットワーク、データベースなど)
- 機能一覧と実現方法
- 導入スケジュールとマイルストーン
- 開発体制とプロジェクト管理方法
- セキュリティ対策の詳細
- サポート体制と保守内容
- 総費用(初期費用、運用費用の内訳)
- 想定されるリスクと対策
提出書類については、提案書本体に加えて、会社案内、類似プロジェクトの実績資料、見積書、契約書ドラフトなどを指定します。
書類の形式(ファイル形式、ページ数、部数など)も明記することで、評価作業が効率化されます。
評価基準と選定プロセス
公平で透明性のある選定を行うため、評価基準と選定プロセスをRFPに明記します。
ベンダー側も評価のポイントを理解した上で提案を作成できるため、質の高い提案につながります。
評価項目と配点
評価基準は、定量的に測定できる項目を設定し、配点を明示します。
一般的な評価項目には以下のようなものがあります。
- 技術的実現性(25点)
- フィット率(10点)
- 実績・経験(20点)
- プロジェクト体制(15点)
- コスト(15点)
- スケジュール(10点)
- 保守・サポート(5点)
各項目の配点は、プロジェクトの優先事項に応じて調整します。
例えば、コスト重視のプロジェクトであれば価格の配点を高くし、ミッションクリティカルなシステムであれば信頼性や実績の配点を高くするといった調整が必要です。
選定プロセスの明示
選定プロセスでは、提案書提出から契約までの流れを時系列で説明します。
- 提案書受付期限
- 書類審査(一次選考)
- プレゼンテーション・デモンストレーション(二次選考)
- 最終選考と交渉
- 契約締結
各段階での評価方法や、選考結果の通知方法も記載することで、ベンダーは適切なスケジュールで準備を進められます。
契約条件と制約事項
契約に関する基本的な条件や、プロジェクトにおける制約事項を記載します。
これにより、後工程でのトラブルを未然に防ぐことができます。
契約条件として記載すべき項目には、以下があります。
- 契約形態(委任契約、請負契約など)
- 支払条件(一括払い、分割払い、成果物ベースなど)
- 納品物と検収基準
- 知的財産権の取り扱い
- 守秘義務と情報管理
- 契約解除条件
制約事項としては、既存システムとの連携制約、セキュリティポリシー、使用可能な技術の制限、作業場所の指定などを明示します。
特にセキュリティ関連の制約は、具体的に記載することで、後から問題が発覚するリスクを減らせます。
【業種別】記載例と書き方テンプレート

業種や導入するシステムの種類によって、RFPで重視すべきポイントは異なります。
ここでは、代表的な業種・用途別のRFP記載例と、実務で使えるテンプレートを紹介します。
基幹システム導入のRFP例
製造業や卸売業などで基幹システム(ERP)を導入する際のRFPでは、業務プロセスの標準化と個別要件のバランスが重要になります。
記載すべき重点項目
基幹システム導入のRFPでは、以下の項目を詳細に記載します。
- 現行業務フローと改善後の目標フロー
- 部門間のデータ連携要件(販売・購買・在庫・会計など)
- 既存システムからのデータ移行計画
- カスタマイズとパッケージ標準機能の方針
- 段階的導入(フェーズ分け)の可否
例えば、製造業の場合、「生産管理モジュールと販売管理モジュールの連携により、受注情報が即座に生産計画に反映される仕組み」といった具体的な要件を記載します。
また、現行システムの課題として「部門ごとに独立したシステムが存在し、データの二重入力が発生している」などの背景を説明することで、ベンダーは最適な解決策を提案できます。
Webサービス開発のRFP例
ECサイトやWebアプリケーション開発では、ユーザー体験とスケーラビリティが重視されます。
特有の要件事項
Webサービス開発のRFPには、以下のような項目が含まれます。
- 想定されるユーザー数と同時アクセス数
- レスポンシブデザイン対応(スマートフォン、タブレット対応)
- SEO対策やアクセス解析の実装
- セキュリティ対策(SSL、個人情報保護、OWASP対応など)
- APIの設計と外部サービス連携
- サーバーインフラの構成(クラウド、オンプレミスなど)
例えば、ECサイトの場合、「月間100万PV、ピーク時の同時アクセス5,000セッションに耐えうる性能」といった具体的な性能要件を提示します。
また、「決済代行サービスとの連携が必須」「商品検索機能は3秒以内にレスポンスを返すこと」など、ユーザー体験に直結する要件を明確にしましょう。
クラウドサービス導入のRFP例
SaaSやクラウドインフラの導入では、既存環境との統合とセキュリティが焦点になります。
クラウド特有の考慮点
クラウドサービス導入のRFPでは、以下の点を重点的に記載します。
- 既存オンプレミスシステムとの連携方法
- データの保存場所(国内データセンター要件など)
- 可用性とSLA(Service Level Agreement)
- ベンダーロックインのリスク対策
- 従量課金モデルの費用シミュレーション
- 導入トレーニングとサポート体制
例えば、「データは国内のデータセンターに保存され、稼働率99.9%以上を保証すること」「既存のActive Directoryと連携したシングルサインオンに対応すること」といった要件を明示します。
また、将来的な拡張や他サービスへの移行を考慮し、「データエクスポート機能を標準で提供すること」といった要件も重要です。
実務で使えるRFPテンプレート
以下は、汎用的に使用できるRFPの基本テンプレートです。
プロジェクトの性質に応じてカスタマイズしてご利用ください。
【RFP(提案依頼書)テンプレート】
1. 表紙
– 文書タイトル「RFP(提案依頼書)」
– プロジェクト名
– 発行日
– 発行元(会社名、部署名)
2. 目次
3. RFPの目的と概要
3.1 本RFPの目的
3.2 プロジェクト概要
3.3 スケジュール
4. 会社概要
4.1 会社の基本情報
4.2 事業内容
4.3 組織体制
5. プロジェクトの背景と目的
5.1 現状の課題
5.2 プロジェクトの目的
5.3 期待する効果
6. 要件定義
6.1 機能要件
– 必須機能
– 希望機能
6.2 非機能要件
– 性能要件
– セキュリティ要件
– 可用性要件
6.3 システム構成要件
6.4 連携要件
7. プロジェクト体制とスケジュール
7.1 自社のプロジェクト体制
7.2 全体スケジュール
7.3 マイルストーン
8. 提案依頼事項
8.1 提案してほしい内容
8.2 提出書類一覧
8.3 提案書の構成
9. 評価基準と選定プロセス
9.1 評価項目と配点
9.2 選定スケジュール
9.3 選定方法
10. 契約条件
10.1 契約形態
10.2 支払条件
10.3 知的財産権
10.4 守秘義務
11. 制約事項
11.1 技術的制約
11.2 環境的制約
11.3 セキュリティポリシー
12. 提案書提出要領
12.1 提出期限
12.2 提出方法
12.3 提出先
12.4 質問受付方法
13. 注意事項
13.1 提案費用
13.2 提案書の取り扱い
13.3 その他
プロジェクトの規模や性質に応じて項目を追加・削除してください。
特に要件定義部分は、業務内容やシステムの種類によって大きくカスタマイズする必要があります。
ベンダーから選ばれる提案を引き出すRFP作成のポイント

質の高い提案を得るためには、ベンダーが提案しやすいRFPを作成することが重要です。
ここでは、優秀なベンダーから積極的な提案を引き出すための実践的なポイントを解説します。
要件の明確性と柔軟性のバランス
RFP作成において最も難しいのが、要件の明確性と柔軟性のバランスです。
細かく規定しすぎるとベンダーの創意工夫を阻害し、逆に曖昧すぎると提案の方向性がバラバラになってしまいます。
明確に規定すべき事項
以下の項目は、明確に規定する必要があります。
- プロジェクトの目的と達成すべきゴール
- 必須の機能要件(Must要件)
- 予算の上限(または予算レンジ)
- スケジュールの制約(導入期限など)
- セキュリティやコンプライアンスに関する要件
- 既存システムとの連携が必要な範囲
これらは、プロジェクトの成立条件や法的要件に関わるため、妥協できない部分として明示します。
柔軟性を持たせるべき事項
一方で、以下の項目については、ベンダーの提案に幅を持たせることが効果的です。
- 技術的な実装方法(目的を達成できれば手段は問わない)
- Should要件やWant要件の実現方法
- システム構成やインフラの選定
- 開発手法(アジャイル、ウォーターフォールなど)
例えば、「在庫管理の精度を95%以上に向上させる」という目的を明示しつつ、「具体的な実装方法については、ベンダーの知見に基づいた最適な提案を求める」と記載することで、多様なアプローチを引き出せます。
質問機会の設定と透明性の確保
RFP発行後、ベンダーからの質問に適切に対応することで、提案の質が向上します。
質問受付期間を明確に設定し、全ベンダーに公平な情報提供を行う仕組みを整えましょう。
質問受付の仕組みとしては、以下の方法が一般的です。
- 質問受付期限を明示する(提案書提出期限の1〜2週間前)
- 質問方法を指定する(メール、専用フォームなど)
- 質問と回答は全ベンダーに共有する(個社特定情報は除く)
- 定期的に質問回答集を更新・配布する
透明性を確保するため、質問と回答は文書化し、すべての参加ベンダーに同時に共有します。
これにより、情報の非対称性を防ぎ、公平な競争環境を維持できます。
評価基準の明示と実績の活用
評価基準を明示することで、ベンダーは重点的に提案すべきポイントを理解できます。
また、過去の類似プロジェクト実績を評価に含めることで、実現可能性の高い提案を選定できます。
評価基準の具体化
評価基準は、可能な限り定量化し、配点を明示します。
例えば、以下のような基準設定が効果的です。
| 機能要件充足度 | 必須要件の100%達成を前提に、希望要件の充足率で加点 |
|---|---|
| 価格評価 | 最低価格提案を100点とし、他提案は比例配分で減点 |
| 実績評価 | 類似規模・業種のプロジェクト実績数に応じて加点 |
| 技術力評価 | 保有資格や技術者のスキルレベルで評価 |
定量化が難しい項目(提案内容の独自性、プレゼンテーション能力など)についても、評価の観点を明示することで、主観的な判断を減らせます。
実績確認のポイント
ベンダーの実績を評価する際は、以下の点を確認しましょう。
- 類似業種・規模のプロジェクト経験
- 同種技術を用いた開発実績
- プロジェクト成功率(予算・スケジュール遵守率)
- 導入後のサポート実績
実績資料の提出を求める際は、「過去3年以内の類似プロジェクト実績を3件以上提示すること。各実績について、プロジェクト規模、期間、成果を記載すること」といった具体的な指示を出すことで、比較しやすい情報が集まります。
スケジュールの現実性
無理なスケジュールを提示すると、実現可能性の低い提案や、品質を犠牲にした提案が集まる可能性があります。
現実的で余裕のあるスケジュールを設定することが、プロジェクト成功の鍵です。
RFP作成時のスケジュール設定では、以下の点に注意しましょう。
- 提案書作成期間は最低2〜4週間確保する
- 質問受付・回答期間を十分に設ける
- 選定プロセス(一次審査、プレゼン、最終選考)に余裕を持たせる
- 開発・導入スケジュールは、業界標準の工数を参考にする
例えば、大規模な基幹システム導入であれば、要件定義から本稼働まで最低12〜18ヶ月程度を見込むのが一般的です。
これを6ヶ月で完了させるような無理なスケジュールを提示すると、品質リスクが高まります。
コミュニケーション方針の明示
プロジェクト期間中のコミュニケーション方針をRFPに記載することで、円滑な協業関係を構築できます。
定例会議の頻度、報告書の提出サイクル、課題管理の方法などを事前に明示しましょう。
例えば、以下のような方針を記載します。
- 週次で定例会議を実施し、進捗報告と課題共有を行う
- 月次で経営層向けの報告会を実施する
- 課題管理はプロジェクト管理ツール(指定がある場合はツール名)で行う
- 重要な意思決定事項は、議事録を作成し双方で承認する
これにより、ベンダーは必要なコミュニケーションコストを見積もりに反映でき、プロジェクト開始後のミスマッチを防げます。
作成後の運用と改善

RFPは作成して終わりではなく、提案受付から選定、さらには次回のRFP作成に向けた改善まで、一連のサイクルとして管理することが重要です。
最後に、RFP作成後の効果的な運用方法と継続的な改善ポイントを解説します。
提案書の受付と管理
提案書の受付プロセスを明確化し、公平性と効率性を両立させます。
提出期限、提出方法、提出先を明確にし、全ベンダーに同一条件で対応しましょう。
提案書受付時のチェックリストとして、以下の項目を確認します。
- 提出期限内に受領したか
- 必要書類がすべて揃っているか
- 指定した形式で提出されているか
- 機密情報の取り扱い同意書が含まれているか
受領後は、受領確認の連絡をベンダーに送り、評価スケジュールを改めて通知します。
評価プロセスの実施
事前に定めた評価基準に基づき、客観的かつ公平な評価を実施します。
評価は複数名で行い、個人の主観に偏らないよう配慮しましょう。
評価プロセスの一般的な流れは以下の通りです。
| 1 | 一次評価(書類審査) | RFPで定めた評価項目に沿って点数化 |
|---|---|---|
| 2 | 質疑応答 | 提案内容の不明点を確認 |
| 3 | 二次評価(プレゼンテーション・デモ) | 提案者の説明能力や実装イメージを確認 |
| 4 | 最終評価 | 総合点と総合判断で選定 |
| 5 | 結果通知 | 選定結果と理由を全ベンダーに通知 |
評価結果は記録として残し、選定理由を明確にすることで、後から検証できるようにします。
また、不採用となったベンダーに対しても、フィードバックを提供することで、次回のRFPにおいてより質の高い提案を得られる関係を築けます。
次回に向けた改善点の抽出
プロジェクト完了後、RFPの内容と実際のプロジェクト遂行を振り返り、改善点を抽出します。
この振り返りが、次回のRFP品質向上につながります。
振り返りで確認すべきポイントは以下の通りです。
- RFPで記載した要件は適切だったか(過不足はなかったか)
- 評価基準は適切だったか(重要な要素を見落としていなかったか)
- スケジュールは現実的だったか
- ベンダーとのコミュニケーション方針は機能したか
- 選定したベンダーは期待通りのパフォーマンスを発揮したか
これらの情報を蓄積し、社内のナレッジとして共有することで、組織全体のRFP作成能力が向上します。
特に、成功事例と失敗事例の両方を記録し、具体的な改善策とともにデータベース化することが効果的です。
まとめ

RFPは、プロジェクトの成否を左右する重要な文書です。
自社の課題と要件を明確にし、適切な構成で記載することで、質の高い提案を引き出せます。
本記事で紹介したテンプレートと業種別の記載例を活用し、評価基準の明示や現実的なスケジュール設定などのポイントを押さえることで、ベンダー選定の精度が向上します。
RFP作成から選定、振り返りまでのサイクルを継続的に改善し、プロジェクトの成功確率を高めていきましょう。

