ITコンサルと営業の違いとは?仕事内容・働き方・向いている人の特徴を紹介

公開日:2026.01.29(木) 更新日:

ITコンサルと営業の違いを比較|役割・働き方・キャリアの選び方

ITコンサルと営業の違いとは?仕事内容・働き方・向いている人の特徴を紹介

ITコンサルタントと営業職は、どちらも「顧客の課題を解決する」仕事です。

近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速により、営業もITコンサルも「課題解決型の提案力」が求められるようになりました。

そのため、両者の境界は以前よりも曖昧になりつつありますが、キャリアとしての方向性・専門性には依然として大きな違いがあります。

この記事では、ITコンサルと営業の違いをわかりやすく比較し、それぞれの役割・働き方・キャリアの特徴を解説します。

ITコンサルと営業の違いとは?

ITコンサルと営業の違いとは?

ITコンサルタントと営業職は、どちらも顧客と直接向き合う仕事です。しかし、目的とアプローチの軸がまったく異なります。

一言で表すなら、営業は「売る」、ITコンサルは「解く」 仕事です。

営業とITコンサルの基本的な違いを整理すると、以下のようになります。

項目 ITコンサルタント 営業職
主な目的 顧客の課題を分析し、最適なIT戦略を提案・実行支援する 自社の製品やサービスを販売し、契約・売上を拡大する
提案の軸 顧客のビジネス課題・業務改善 自社製品の導入価値・コストパフォーマンス
成果指標 顧客の業績改善・システム導入効果 売上目標・契約件数
必要スキル 分析力・論理的思考・IT知識 コミュニケーション力・提案力・交渉力
関係の期間 中長期(プロジェクト完了まで伴走) 短〜中期(契約締結までが中心)

このように、ITコンサルは「顧客の課題解決」にフォーカスするのに対し、営業は「自社製品の販売」にフォーカスする点が最も大きな違いです。

とはいえ、現代の営業職は「課題解決型」が主流になっており、両者の仕事は以前よりも接近しています。

ただし、その根本的な立ち位置(誰のために何を提案するか)を考えると、やはりITコンサルと営業は明確に異なる役割を担っているといえます。

役割と仕事内容の違い

役割と仕事内容の違い

ITコンサルタントと営業は、どちらも顧客と向き合う仕事ですが、関わるフェーズと目的が異なります。
営業は「売る」ための活動が中心で、ITコンサルは「課題を解く」ことに責任を持ちます。
つまり、営業がスタート地点を担当し、ITコンサルがゴールまでの道筋を設計する関係だと言えます。

ITコンサルタントの主な役割

ITコンサルタントは、顧客のビジネス課題を分析し、ITを活用した解決策を提案・実行する専門職です。
業務改善からシステム導入、運用定着までを支援し、成果が出るまで伴走します。

主な業務内容は以下の通りです。

  • 顧客の経営課題や業務フローをヒアリング・分析
  • 改善のためのIT戦略やシステム導入計画を策定
  • 開発・ベンダーとの調整や要件定義の推進
  • プロジェクト進行管理と成果報告

営業職の主な役割

営業職は、自社の製品やサービスを顧客に提案し、契約を獲得することが目的です。
製品の特長を伝えるだけでなく、顧客の潜在的ニーズを引き出す力も求められます。

主な業務内容は以下の通りです。

  • 新規顧客の開拓および見込み案件の創出
  • 提案書・見積書の作成、プレゼンテーション
  • 契約条件の交渉・締結
  • 契約後のフォローと関係維持

両者の比較と1日の流れ

ITコンサルと営業では、活動の目的や関わる相手が大きく異なります。

観点 ITコンサルタント 営業職
主な目的 顧客課題の特定と解決 製品・サービスの販売
提案内容 IT戦略・業務改善策 製品導入・コスト提案
関わる相手 経営層・事業部門・技術チーム 購買担当・決裁者
活動フェーズ 契約後〜導入・改善まで 契約前〜締結まで
成果指標 プロジェクト成功・ROI 売上・契約件数

1日の仕事の流れを比較すると以下のようになります。

時間帯 ITコンサルタント 営業職
午前 クライアントとの課題ヒアリング 新規訪問・既存顧客フォロー
午後 提案書・要件定義書の作成 商談・見積書作成
夕方 プロジェクト報告・社内調整 契約調整・日報まとめ

このように、ITコンサルは「課題の本質を掘り下げる仕事」、営業は「顧客との接点を広げる仕事」と言えます。

両者が協働することで、提案から導入、成果創出までが一貫した顧客体験となるのです。

働き方・やりがいの比較

働き方・やりがいの比較

ITコンサルタントと営業は、どちらも人と関わる仕事ですが、働き方のリズムやストレスの種類は大きく異なります。

営業はスピード感とフットワークが求められるのに対し、ITコンサルは論理的思考と長期的な視点が必要です。

どちらが良い・悪いではなく、「どんな環境で力を発揮できるか」が分かれ目になります。

働き方の特徴

ITコンサルは、プロジェクト単位で仕事を進めるため、スケジュールがタイトになりやすいです。

資料作成やミーティングが多く、分析・設計・レビューなど知的労働の比重が高い傾向にあります。
一方で、リモートワークや裁量労働が導入されている企業も多く、柔軟な働き方が可能です。

営業職は、顧客対応が中心であり、外出・訪問・オンライン商談など行動量が求められます。

顧客の都合に合わせるため、スケジュール変更が頻発する一方、成果が出れば自由度の高い働き方ができる点も魅力です。

項目 ITコンサルタント 営業職
働くスタイル プロジェクトベース、チーム中心 個人裁量が大きく、行動量重視
勤務形態 リモート・在宅も増加傾向 外出・訪問・顧客対応が中心
スケジュール 長期的・計画的 短期的・変動が多い
ストレス要因 納期・品質・プロジェクト進行 ノルマ・売上プレッシャー

やりがいとモチベーション

ITコンサルは、顧客の業務効率化や経営課題の解決に貢献できることがやりがいです。
目に見える成果が出るまで時間がかかりますが、成果が出たときの達成感は非常に大きいです。

営業は、数字として結果が明確に出ることが最大のモチベーションです。
契約が決まった瞬間の達成感や、顧客からの信頼を得る喜びが日々の原動力になります。

それぞれの職種のやりがいとモチベーションを表にすると以下のようになります。

観点 ITコンサルタント 営業職
主なやりがい 顧客の課題を解決できた瞬間 契約や売上につながった瞬間
成果が出るまでの期間 中長期的(数ヶ月〜1年) 短期的(1〜数週間)
モチベーション源 知的成果・顧客貢献 数値成果・信頼関係
向いている人 論理的・探究型 行動的・社交型

ITコンサルのやりがいは「顧客の変化」にあり、営業のやりがいは「自分の成果」にあります。
どちらも人の役に立つ仕事ですが、価値を感じるポイントが違うのです。

キャリアパスと将来性

キャリアパスと将来性

ITコンサルと営業は、どちらも経験を積むことで大きなキャリアの広がりがある職種です。
ただし、スキルの性質と成長の方向性が異なるため、将来どんな専門性を身につけたいかによって選択が分かれます。

ITコンサルタントのキャリアパス

ITコンサルは、経験を重ねるごとにより戦略的な案件やマネジメント領域へ進む傾向があります。
特定の業界に強い「業界特化型」と、幅広い分野を扱う「総合型」のキャリアに分かれます。

主なキャリアステップの例

  1. アナリスト/アソシエイト
    データ整理や資料作成など、分析補助からスタート
  2. コンサルタント/シニアコンサルタント
    顧客課題の特定・提案・実行支援を担当
  3. マネージャー/リーダー
    複数案件の統括、チームマネジメントを担う
  4. ディレクター/パートナー
    戦略提案や事業推進、経営層との折衝を行う

ITコンサルのスキルは、経営コンサルやDX推進、事業企画にも応用可能です。

DX需要が高まる中で、IT×ビジネスの両方を理解できる人材は今後も強い需要があります。

フェーズ 主な業務 必要スキル
初期 調査・資料作成 分析力・ITリテラシー
中堅 提案・実行支援 論理的思考・リーダーシップ
上級 戦略立案・経営支援 マネジメント力・業界知見

営業職のキャリアパス

営業職は、経験を積むことで「マネジメント職」または「スペシャリスト職」に進むケースが多いです。
営業力を軸に、事業開発やマーケティングなどの企画職へ転身する人も増えています。

主なキャリアステップの例

  1. 法人営業/個人営業
    製品・サービス提案を通じて実績を積む
  2. 営業リーダー/マネージャー
    チーム管理・戦略立案・メンバー育成を担当
  3. 事業開発/アカウントマネージャー
    新市場の開拓や大手顧客の深耕を担当
  4. 経営企画・カスタマーサクセス
    営業経験を基盤に、経営寄りのポジションへ発展

営業職で培ったスキルは、ITコンサルと同様に経営企画の能力も身につくため、将来的にはマネジメントを行うポジションへのキャリアップを狙うことが可能です。

フェーズ 主な業務 必要スキル
初期 新規開拓・提案活動 行動力・対人力
中堅 チーム管理・戦略立案 マネジメント力・交渉力
上級 事業開発・市場戦略 ビジネス設計・分析力

DX時代における将来性

デジタル化が進む現在、両職種ともに新たなスキルや、最新情報の取捨選択が求められています。

  • ITコンサル
    AI・クラウド・データ分析など、テクノロジーの理解が必須
  • 営業職
    SaaS・デジタルツールを活用した「インサイドセールス型」へ進化中

どちらも「IT×ビジネス」の知識を掛け合わせることで、市場価値を高められます。
今後は、提案力よりも課題解決力を持つ人材がより重宝される時代になるでしょう。

ITコンサルと営業、どちらの仕事が自分に向いている?

ITコンサルと営業、どちらの仕事が自分に向いている?

ITコンサルと営業は、求められる能力や成果の出し方が異なるため、向き・不向きがはっきり分かれます。

どちらも顧客との関係構築が鍵ですが、「どんな価値提供をしたいか」で適性が変わります。
ここでは、性格や志向のタイプ別に、自分がどちらに合っているかを見極めるヒントを紹介します。

ITコンサルに向いている人の特徴

ITコンサルタントに向いているのは、課題を論理的に考え、構造的に整理するのが得意なタイプです。
目先の成果よりも、顧客や組織全体の最適化にやりがいを感じる人に向いています。

向いている人の特徴

  • 物事を体系的に理解し、仮説を立てて検証するのが得意
  • 数字やデータをもとに考えることが好き
  • 一度決めた課題を粘り強く追求できる
  • チームで協働しながら成果を出すのが得意
  • 新しい技術やトレンドに関心が高い

こんな志向を持つ人におすすめ

  • 将来的に経営・企画・DX推進などへ進みたい
  • 顧客と深く関わり、長期的に課題解決を支援したい

営業に向いている人の特徴

営業職は、人との関わりやコミュニケーションを楽しめるタイプに向いています。
スピード感のある環境で成果を追うのが好きな人には、非常にやりがいのある仕事です。

向いている人の特徴

  • 初対面でも会話が苦にならず、行動が早い
  • 目標があると燃えるタイプ
  • 相手の反応を見ながら柔軟に提案を変えられる
  • 成果を数字で実感したい
  • 忙しい環境でもポジティブに動ける

こんな志向を持つ人におすすめ

  • 人との関係構築が得意で、交渉や提案にやりがいを感じる
  • 将来的にマネジメントや事業開発に携わりたい

適性を見極める3つの質問

実際に自分に合う方向性を判断する際は、次の3つの問いを考えてみてください。

質問 ITコンサル向きの答え 営業向きの答え
① 成果をどう実感したい? 課題が解決し、顧客の業務が改善したとき 契約や売上という数字で結果を出したとき
② どんな仕事の流れが合う? 課題を分析し、計画的に進める仕事 行動量を重ねて成果を掴む仕事
③ どんな人と働きたい? 専門性を持ったチーム・経営層 顧客・取引先・幅広い業種の人たち

ITコンサルは「思考型」、営業は「行動型」の仕事と言えます。

どちらも人を動かす力が求められますが、活躍の舞台が異なるため、自分の強みをどう活かしたいかを意識することが大切です。

記事のまとめ

記事のまとめ

ITコンサルと営業は、どちらも顧客に価値を届ける重要な仕事です。
ただし、営業は「成果を数字で出す」、ITコンサルは「課題を構造的に解決する」という軸の違いがあります。

どちらが優れているという話ではなく、自分の性格や志向に合った働き方を選ぶことがキャリア成功の第一歩です。

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監修者プロフィール

岩井 知洋

岩井 知洋

株式会社クロスオーバー
取締役 ITコンサルティング事業部 事業部長

大手SI事業者にて、大規模開発のPMを経験後、日本能率協会コンサルティング(JMAC)に入社し、金融から物流、自治体まで幅広くシステムグランドデザインやシステム化企画、業務分析・改善等の支援に従事。
近年は、JMACのグループ会社であるクロスオーバーにて、メガバンク、政令市、大手アパレル、製造業等におけるシステム再構築やインフラアウトソーシングの案件等のシステム化企画やユーザー側のPMOを中心に支援している。