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公開日:2025.12.01(月) 更新日:
ITコンサルタントはプログラミングより仕組みを理解する知識が必要!理由と習得方法を解説
「ITコンサルに転職したいけどプログラミングができなくて不安」と感じていませんか?
ITコンサルタントとは企業の課題をITの活用により解決する専門家です。
プログラムを書くスキルは必要ありませんが、仕組みを理解する「知識」が必要です。
この記事では「知識」が必要な理由と、習得方法を解説します。
ITコンサルタントとは?|現代に求められる役割と知識

かつて、ITコンサルタントの役割はヒアリングや現状分析、企画・提案といった上流工程で、設計・開発をSIer等に委託するケースが主流でした。
そのため、ITコンサルタントに必要とされたのは「分析」「提案」といった知識でした。
現代では役割が変わり、ITコンサルタントが設計・開発や運用支援の下流工程までを一気通貫で実施するケースがほとんどです。
そのため、ITコンサルタントに求められる能力や知識は以下のようになりました。
- 複雑な課題を整理し最適な解決方法を導く論理的思考
- 顧客だけでなく、チームメンバーとも良好な関係を築くコミュニケーション能力
- 顧客に適切なソリューションを提案するために必要な最新技術
このように時代の変化に伴い、ITコンサルタントに求められる役割と知識は大きく変わっているのです。
プログラムを「書くスキル」は不要だが「知識」を持っていた方がいい理由とメリット

ITコンサルタントにプログラミングは必須ではありません。
実際のプロジェクトでは開発チームがプログラミングを行うため、ITコンサルタントがプログラミングする機会はほとんどないといっても良いでしょう。
しかし、ITコンサルタントが設計や開発まで関わる現代において、プログラミングの「知識」が問われる場面は確実に増えています。
ITコンサルタントの目的は企業の成長を支援する「仕組み」を設計することで、プログラミングはその仕組みを実現するための手段です。
その手段を深く理解する「知識」を持つことが、良い仕組みを生み出しITコンサルタントとしての価値を高めることにつながるのです。
プログラミングの知識を持つことで得られるメリットを見ていきましょう。
メリット1:提案の質が上がり、顧客から信頼される
プログラミングの仕組みや技術的な背景を理解していると、顧客に提案するサービスやソリューションの理解度が向上します。
これにより「この機能は現行システムで技術的に実現可能か」「AとBの技術、どちらが今回の要件や予算に適しているか」といった問題に直面したとき、的確な判断が可能です。
間違いのない信頼できる提案内容になるため、顧客から信頼されるようになります。
また、顧客の要望が技術的に難しい場合でも建設的な代替案を提示できます。
こうした技術的背景に裏付けられた確かな提案と交渉が顧客からの信頼を獲得し、ITコンサルタント本来の役割に大きく貢献するといえるでしょう。
メリット2:開発現場から信頼される
プログラミングの知識は開発チームとの円滑なコミュニケーションを可能とします。
開発チームの課題は何なのか、なぜ課題がすぐに解決できないのかを具体的に理解できるためです。
例えば、顧客から急な仕様変更や無謀な納期を要求された際、ITコンサルタントが技術的な観点から「その変更はシステムのこの部分に影響するため、すぐに変更できません」と交渉できるようになります。
これにより、開発チームへ無理な要求をなくすことができます。
開発の現場を理解する姿勢が開発チームの信頼と士気を高め、プロジェクト全体の生産性向上につながるのです。
メリット3:キャリアの幅が広がり、市場価値が向上する
プログラミングの知識とは特定の言語の文法を覚えることではありません。
データがどのように処理されシステムがどのようなロジックで動作するのか、という仕組みを理解することです。
仕組みの理解によりシステム全体の構造や流れを把握できるようになります。
これにより「この構造の方がパフォーマンスが高い」「このデータの渡し方はセキュリティリスクがある」といった、システム設計上の良し悪しを判断できるようになります。
この良し悪しを判断できる知見こそが、あらゆるシステムに応用できる「勘所」なのです。
「勘所」を習得していれば、未知の技術に直面した時も有効的な使い方やリスクを素早く見抜けるようになります。
技術の流行に振り回されず価値を提供し続けられるようになり、ITコンサルタントとしてのキャリアアップにつながるでしょう。
後悔しないために知っておきたい「ITコンサルはやめとけ」といわれる理由

ITコンサルタントは年収が高く人気の職種ですが「やめとけ」といったネガティブな意見を聞くことがあります。
これらの意見の多くは、仕事内容と求められる知識レベルとのギャップが原因なのです。
ギャップがどのような困難な状況を招くのか見ていきましょう。
開発現場と円滑なコミュニケーションが取れない
プログラミングの知識が不足していると、開発チームとの円滑な意思疎通が困難になります。
技術的な会話についていけず、ただ顧客の要望を右から左へ流すだけの伝達役になってしまうためです。
その結果、開発現場からは「口は出すが現場の苦労は何も分かっていない」と見なされ、信頼を失い孤立してしまう恐れがあります。
プロジェクトチーム内での孤立は大きな精神的ストレスの原因です。
プログラミングの知識は、チームの一員として認められ円滑な関係を築くために重要といえるでしょう。
顧客と開発の板挟みになり、精神的に疲弊する
ITコンサルタントが激務になる原因の1つに「無謀な要求を断れない」ことがあります。
顧客から急な納期短縮や大幅な仕様変更を依頼された際、プログラミングの知識がなければ、その要求が技術的にどれほど無謀であるかを説明し交渉することができません。
結果としてそのしわ寄せが全て自分自身や開発チームに跳ね返ってきます。
深夜残業や休日出勤といった事態を招き、顧客と開発チームの板挟みになって精神的に疲弊してしまうのです。
プログラミングの知識は、チーム内の円滑な関係構築だけでなく対外的な交渉においても重要といえるでしょう。
キャリアが頭打ちになる
プログラミングの知識を習得して「勘所」を理解しないままでは、表面的なITコンサルタントの役割しか行えません。
「勘所」を理解していなければ、提案するサービスやソリューションの良し悪しが分からないため、マニュアル通りの表面的な説明になります。
これではクライアントが提案の要否を適切に判断することができません。
結果として、いつまでも表面的な役割しか任されず、より価値の高いキャリアに進むことが難しくなるのです。
こうした事態を避けるためには、常に新しい技術を学びその「勘所」を磨き続ける姿勢が重要といえるでしょう。
ITコンサルタントとして習得したいプログラミングの知識とは?

ITコンサルタントが習得したいプログラミングの知識とは、プログラミングを通して「勘所」を理解することです。
この「勘所」の習得には「保守性の高いシステムを効率よく開発するための設計」や「品質と効率を両立させるテスト自動化」といった手法を学ぶことが有効な手段になります。
例えば、プロジェクトの運営手法である「アジャイル開発」や、プログラムコードの品質を高める「リファクタリング」などです。
こうした開発の「勘所」を学ぶことは、自身のキャリアアップに有効と言えるでしょう。
まとめ

現代のITコンサルタントに自らプログラムコードを「書くスキル」は必須ではありません。
しかし、顧客の成長を支援する上で開発の仕組みや良し悪しを理解する「勘所」は必要なスキルといえます。
今後もDX化が進み、ますますITコンサルタントの需要は高まるでしょう。
これからのキャリアアップのために、プログラミングの仕組みを理解してみてはいかがでしょうか
