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公開日:2025.06.10(火) 更新日:
ITコンサルタントは将来性のある職種!年収や適性やおすすめの資格を詳しく解説

ITコンサルタントは年収が高いことをご存じでしょうか?
ITコンサルタントはIT技術を用いて企業の課題を解決する専門家で、高い年収の職種です。
近年、企業の業務改革に伴い、需要が急速に高まっています。
この記事ではITコンサルタントの年収をさまざまな角度から解説し、適性やおすすめの資格を紹介します。
ITコンサルタントとは
ITコンサルタントは情報技術(IT)を活用して、企業が抱える経営上の課題や業務プロセスの問題を解決する専門家です。
主な仕事内容は経営・業務課題の分析、課題解決のための具体的なITソリューションの提案、システムの導入計画策定、プロジェクト全体の進捗管理などです。
これらを通じて、クライアント企業の業務効率化や生産性向上、新たなビジネス価値の創出に貢献します。
ITコンサルタントの仕事は企業の成長戦略に深く関与し、変革を支援する職種といえるでしょう。
ITコンサルタントの年収
厚生労働省が運営している、職業情報提供サイト(job tag)によるとITコンサルタントの給与データ(年収)は年収600~1,100万となっています。
出典:職業情報提供サイト(job tag)
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/362
また、経済産業省の「我が国におけるIT人材の動向(P4)」によると、DXを担うIT人材の給与水準においてITコンサルタントのオファー年収は800~1,500万となっています。
出典:我が国におけるIT人材の動向
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/001_s01_00.pdf
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると給与所得者の平均年収は460万となっており、ITコンサルタントは他業種と比べて高収入です。
出典:令和5年分 民間給与実態統計調査
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2023.htm
ここでは、ITコンサルタントの年収を細分化してみていきましょう。
ITSSレベルによる年収
ITコンサルタントのスキルレベルを客観的に示す指標の一つに「ITスキル標準(ITSS)」があります。
職業情報提供サイト(job tag)によるとITSSレベル別の年収は以下の通りです。
ITSSレベル | 年収 | レベルの説明 |
---|---|---|
3 | 600~900万 | 要求された作業をすべて独力で遂行でき、専門分野が確立している自立したプロフェッショナル |
4 | 650~950万 | 専門分野において安定した成果を出し、後進を指導できるプロフェッショナル |
5以上 | 700~1,100万 | 専門分野において国内、あるいは国際的にも通用する極めて高度なスキル・経験を有し、組織や業界の発展に貢献するプロフェッショナル |
ITSSレベルの詳細な説明は以下のリンクをご参照ください。
出典:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」 P10
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001244078.pdf
ITコンサルタントとして高年収を目指すためには、ITSSのような客観的なスキル指標を意識し専門性を高めていくことが重要といえるでしょう。
年齢別の年収
ITコンサルタントの年収は年齢や経験年数に応じて専門知識や実務経験が豊富になり、上昇していく傾向があります。
職業情報提供サイト(job tag)によると年齢別の年収は以下の通りです。
年齢 | ~19 | 20~24 | 25~29 | 30~34 | 35~39 | 40~44 | 45~49 | 50~54 | 55~59 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平均年収(万円) | 415.6 | 433.22 | 570.4 | 680.48 | 807.15 | 904.44 | 874.78 | 851.1 | 894.9 |
年齢と共にスキルと責任範囲が拡大し、年収に反映されるのがITコンサルタントの特徴です。
自身の成長が収入に繋がりやすい点は、長期的なキャリアを考える上で魅力的な要素と言えるでしょう。
役職別の年収
厚生労働省の「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」によると、役職別の年収は以下の通りです。
役職 | 担当者・一般社員レベル | 主任・係長・課長補佐レベル | 課長レベル | 部長・本部長レベル以上 |
---|---|---|---|---|
年収 | 500~800万 | 600~950 | 690~1,000万 | 800~1,200万 |
出典:IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業報告書 (令和5年度厚生労働省委託事業)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000089556_00021.html
明確なキャリアパスとそれに伴う年収アップが期待できることは、ITコンサルタントを目指す上で大きな目標となります。
実力次第で高収入を目指せる環境があると言えるでしょう。
ITコンサルタントの年収が高い理由
ITコンサルタントの年収が他の職種と比較して高い水準にあるのには以下の理由があります。
理由 | 説明 |
---|---|
専門性の高さ | ITに関する深い知識はもちろん、担当する業界の業務知識や経営戦略に関する理解も必要なため |
最新技術の習得 | 常に進化するITトレンドに対応するため |
総合的なスキルの高さ | ITスキルだけでなく問題解決能力やコミュニケーション能力といった能力も必要なため |
企業にもたらすメリットが大きい | 業務効率化やコスト削減、新規事業創出など、企業の収益向上に直結するため |
特にAIやIoTといった技術革新のスピードは目覚ましく、最新技術を習得している人材の確保が難しいのが実情です。
総合的なスキルを併せ持った人材は希少である点が、高年収の理由といえるでしょう。
ITコンサルタントになるには
ITコンサルタントは高い専門性が求められる職種ですが、必ずしも最初から豊富なキャリアが必要というわけではありません。
特に以下のような前職での経験が活きるケースが少なくありません。
前職での経験 | 説明 |
---|---|
特定の業界知識や業務経験 | 製造業や金融業など、特定の分野で培った知見により、その業界のクライアントに対してより具体的で実践的な提案ができるため |
顧客対応経験や折衝能力 | クライアントとの円滑なコミュニケーションやニーズの正確な把握は、コンサルタント業務の基本のため |
問題解決に取り組んだ経験 | 課題の本質を見抜き、解決策を導き出す点はコンサルタントの思考プロセスに通じるものがあるため |
これらのスキルや経験はすぐに習得できるものではなく、ITコンサルタントとしての強みになり得るといえるでしょう。
ITコンサルタントに向いている人の特徴
ITコンサルタントとして活躍する人の特徴は以下の通りです。
特徴 | 説明 |
---|---|
コミュニケーションが得意 | クライアントのニーズを引き出し、良好な関係を築くため |
学習意欲が高い | IT業界は技術の進歩が速く、常に新しい知識や技術を学び続ける必要があるため |
課題解決能力がある | 課題の本質を見抜き解決策を構築するため |
論理的思考ができる | 複雑な内容を論理的に分解し課題解決や説明に用いるため |
経営的視点が持てる | クライアントのビジネス全体を理解し、経営課題にまで踏み込んだ提案をするため |
また、最初からこれらの特徴を持っていなくても実務経験を通じて習得できます。
意識して習得すれば、ITコンサルタントとして大きな成果を上げる可能性が高くなるでしょう。
ITコンサルタント初心者におすすめの資格
ITコンサルタントに必須の資格はありませんが、知識やスキルを対外的に証明できます。
キャリアがない場合におすすめの資格は次の通りです。
資格 | 説明 |
---|---|
ITパスポート | ITに関する基礎的な知識を証明する |
基本情報技術者 | ITシステム開発に必要な知識を幅広く証明する |
ITILファウンデーション | ITサービスマネジメントの基本的な知識を証明する |
実務経験では担当するプロジェクトによって習得できる知識やスキルに偏りが生じることもありますが、資格取得のための勉強は、ITコンサルタントに必要な基礎知識を体系的かつ網羅的に学ぶことができます。
資格の取得は基礎的なITスキルを体系的に習得するとともに、スキルを持っていることを対外的にアピールできる有効な手段となるでしょう。
ITコンサルタントが「やめとけ」といわれる理由
ITコンサルタントは魅力的な職業である一方、「やめとけ」という声が聞かれることもあります。
その背景には、以下のような理由によりこの仕事特有の厳しさがあるためです。
- プロジェクトの納期やクライアントの高い期待に応えるための長時間労働の可能性
- IT技術の急速な進化に対応するための継続的な学習の必要性
- プロジェクトの成否が企業業績に直結し得る大きな責任
- クライアントの都合やプロジェクト状況によるスケジュールの変動リスク
プレッシャーが大きく激務もある職種ですが、困難を乗り越えて企業が成長した時の達成感と自己成長は大きいものです。
ITコンサルタントは高い年収だけでなく、やりがいや成長を実感できる魅力ある職業といえるでしょう。
記事のまとめ
ITコンサルタントの年収は高い水準にあり、スキルや経験、役職によってはさらに高収入を目指せる職種です。
一方で、激務やプレッシャーといった厳しい側面も存在しますが、企業の成長に寄与する重要な役割になります。
優秀なITコンサルタントは数が少なく、希少価値の高い職種です。
まずはITコンサルタントへのキャリアを目指してはいかがでしょうか?