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公開日:2025.11.10(月) 更新日:
ITコンサルタントに向いている人の特徴とは?年収や持っておきたい資格を解説
ITコンサルタントに向いている人の特徴をご存じですか?
ITコンサルタントはIT技術で企業の成長を支援し、高い年収も期待できる専門職です。
しかし「激務だ」「やめとけ」といった厳しい意見があることも事実です。
この記事ではITコンサルタントの仕事内容から年収、向いている人の特徴や持っていた方が良い資格を詳しく解説します。
ITコンサルタントの仕事内容と年収

ITコンサルタントの関わる仕事範囲はクライアントのIT戦略立案からシステム導入・運用までの全般です。
その仕事内容と年収は以下の通りです。
仕事内容
ITコンサルタントの仕事は主に4つのフェーズに分かれます。
それぞれのフェーズと仕事内容は以下の通りです。
| フェーズ | 仕事内容 |
|---|---|
| 現況分析 | クライアントへのヒアリングやデータ分析を通じて、経営課題や業務上の問題点を正確に把握する |
| 企画・提案 | 課題を解決するためのIT戦略やシステム導入計画を立案し提案する |
| 開発・導入 | システムの要件定義やベンダー選定、進捗管理など、導入完了までのマネジメントを行う |
| 運用支援 | 導入システムが継続的に効果を発揮できるよう効果測定や改善提案、定着化の支援を行う |
近年は、企画・提案だけでなく導入から運用まで伴走し、顧客の成長まで長期に渡り関わることがほとんどです。
年収
ITコンサルタントの年収は厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、ITコンサルタントの年収は600万円から1,100万円となっています。(2025年10月時点)
個人のスキルや経験、実績によってはさらに高い年収が期待できます。
高い専門性と責任が求められる職務ですが、それに見合った報酬を得られる点が大きな魅力といえるでしょう。
ITコンサルタントが「やめとけ」と言われている理由

ITコンサルタントは高い年収ややりがいが魅力である一方、「やめとけ」という厳しい意見も聞かれます。
転職を検討する際はこうした現実もしっかりと理解しておくことが重要です。
「やめとけ」といわれる主な理由は以下の通りです。
| 理由 | 説明 |
|---|---|
| 激務である | 予期せぬトラブルが発生し、調査や対応のために長時間労働になることも少なくない |
| 常に自己研鑽が求められる | 常に最新のIT技術や手法を学び続ける必要があり、プライベートな時間を確保するのが難しいと感じる場合がある |
| プレッシャーが大きい | クライアントからの高い期待に応え続けなければならないという精神的な負担が大きい |
このようにITコンサルタントは絶え間ない努力と忍耐を要求される職種といえるでしょう。
ITコンサルタントに向いている人の特徴

ITコンサルタントとして活躍する人の多くに共通的な特徴があります。
ここでは、特に重要とされる特徴を解説します。
本質を見抜く力
ITコンサルタントにとって重要な資質の一つが、「本質を見抜く力」です。
クライアントが抱える表面的な課題ではなく根底にある真のニーズを突き止める能力を指します。
例えば、クライアントから「新しい営業支援システムを導入したい」という要望があったとします。
この時、言われた通りにシステムを提案するだけでは不十分です。
もし課題が営業手法の属人化の場合、システム導入だけではなく営業手法の見直しや標準化が必要になります。
本質を正確に理解してこそ課題が解消され、クライアントの真の成長につながるのです。
コミュニケーション能力
ITコンサルタントは多くの人と関わるため、高いコミュニケーション能力が必要です。
まず、クライアントのニーズを正確に聴くための「傾聴力」が求められます。
相手が言葉にしていない背景や課題を汲み取り、対話の中から課題を引き出すことが重要です。
また、立場や意見の異なる関係者の間に立ち、合意形成を図る「調整力」も必要になります。
課題の本質を引き出し関係者を動かすコミュニケーション能力は、ITコンサルタントとしての価値を高めるために必要な能力といえるでしょう。
常に学ぶ姿勢
IT業界は技術の進化が速く、昨日まで最新だった技術が今日には古くなることも珍しくありません。
クライアントに対して最適な提案を行うためには、クラウド・AI・データ分析といった最新技術を常に学び、どのようにビジネス課題の解決に活かせるかを考える必要があります。
また、プロジェクトを効率的に進めるためのマネジメント手法や、特定の業界に関する深い知識など、学習すべき領域は多岐にわたります。
現状の知識に満足せず、自らをアップデートし続ける意欲がコンサルタントとしての価値を高めるために必要です。
論理的思考
クライアントが抱える問題は様々な要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。
論理的思考を用いることで、複雑な状況を「分解」し要素ごとに「整理」することで的確な対応策を組み立てることが可能になります。
また、導き出した解決策をクライアントに提案する際にも論理的思考は不可欠です。
なぜその解決策が最適なのか、どのような手順で進めるべきなのかを分かりやすく順序立てて説明する必要があります。
感情論や感覚的な説明ではなく客観的な事実やデータに基づいた論理的な説明こそが、クライアントの納得感を引き出し、提案の承認に繋がるのです。
さまざまな経験
ITコンサルタントとして活躍するためには特定のスキルだけでなく、これまでのキャリアで培ってきた多様な経験も大きな武器になります。
例えば、「営業の経験」はコミュニケーションを通して顧客のニーズを引き出し、信頼関係を築くことが可能です。
金融や製造、医療といった業界特有の商習慣や法律への深い理解は、より的確な提案を可能にし、クライアントからの信頼を得やすくなります。
一度、自身の経験を振り返り整理してみるとよいでしょう。
ITコンサルタントに向いていない人の特徴

ITコンサルタントは魅力的なキャリアですが、コンサルタントに求められる働き方とのギャップに苦しむケースがあります。
ここでは、一般的にITコンサルタントの働き方とは合わない人の特徴を3つ紹介します。
- 自分の作業に集中したい人
ITコンサルタントの仕事はクライアントや社内メンバーとの会議や調整が多く、一人で作業に没頭できる時間は限られるため、個人での作業を好む人にはストレスを感じやすい環境かもしれません - 一つのことを極めたいスペシャリスト志向の人
特定の技術や言語を深く追求したいという思いが強い場合、常に新しい技術や幅広い知識を求められるITコンサルタントの仕事は不向きかもしれません。 - ワークライフバランスを最優先したい人
クライアントの都合に合わせてスケジュールが変わる場合が多く、プロジェクトの繁忙期にはプライベートな時間を確保することが難しい場合もあります。
自身の価値観や望む働き方とミスマッチがないか判断することが重要です。
資格がなくてもITコンサルタントになれる?

ITコンサルタントは特定の資格が必須というわけではありません。
しかし「資格」は自身の能力を客観的に証明したり、知識を体系的に習得したい場合に有効な選択肢の一つになります。
ITコンサルタントの基礎習得にお勧めの資格は以下の通りです。
- 基本情報技術者試験
- 日商簿記
- AWSなどのクラウド認定資格
将来的には次のような高度資格を取得することで、より自身の専門性を高めることができるでしょう。
- 中小企業診断士
- ITストラテジスト試験
- PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)
ITコンサルタントなるための準備

ITコンサルタントへのキャリアチェンジを成功させるためには、事前の準備が重要です。
どのような経験がITコンサルタントとして活かせるのか、キャリアを振り返り「自身のスキルの棚卸し」を行いましょう。
次に「自分に合った企業情報の収集」が欠かせません。
特に未経験からの転職の場合、研修制度が充実しているなど「教育を重要視する企業」を選ぶことが、その後の市場価値を大きく左右します。
ITコンサルタントへの転職準備に関するより詳しい情報については、以下の記事で詳しく解説しています。
よろしければご参照ください。
まとめ

ITコンサルタントとして活躍できる人には、コミュニケーション能力や学び続ける姿勢など多くの共通点があります。
そして、今まで培ってきたさまざまな経験が、ITコンサルタントとして活躍するための大きな強みになります。
最初からすべての特徴を兼ね備えている人ばかりではありません。
自身の経験やスキルを振り返り、新たなキャリアへの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
