エンジニアからPMOへのキャリアパス!必要なスキルや資格も紹介

公開日:2022.12.16(金) 更新日:

エンジニアからPMOの仕事へ転職する際の資格やスキルを解説

エンジニアからPMOへのキャリアパス!必要なスキルや資格も紹介

システムエンジニアからPMOへの転職は実は需要が高く将来性があり年収も上がりやすいことをご存じでしょうか?

確かに、SEはシステム開発や導入が主な役割となる職種であることに対し、PMOはプロジェクトマネジメントとなるため、一見するとつながりが無いように見えます。

しかし、PMO人材として働いていく上でシステム開発関連の仕事に携わった経験があるということは非常に大きなアドバンテージになります。

ではその理由は何でしょうか?この記事では、PMOの主な業務、必要となるスキルや経験に加え、エンジニアの経験がPMOとしてキャリアを形成していく上でメリットになる理由について解説します。

PMOとは?主な仕事内容や役割に関して

PMOとは?主な仕事内容や役割に関して
PMOはプロジェクトを管理する組織であるということは広く知られています。

では、具体的に何を管理するのか、どのようなポジションがあるのか、そして、仕事をしていく上でどんな能力が求められるのでしょうか?

主な業務内容と職種について

PMOの主な役割はもちろんプロジェクトマネジメントになります。

プロジェクトを成功させるため、スケジュール、タスク、進捗、品質、課題、リスク、など数多くの要素を管理していく必要があります。

管理業務の対象項目が多いことや、プロジェクトによって管理が必要になるものが変わるということもあり、非常に難しい仕事になります。

また、例えばシステム開発における課題など、その内容によっては管理するために特別な知識が必要になってくるものもあります。

PMO業務は管理だけではなく、プロジェクトの目的を達成する上で必要となる業務全般に対しての支援が求められます。

たとえば、簡単な雑務の対応が必要になることもあれば、ITプロジェクトであればエンジニアとプログラミング関連の課題に対して取り組むことが求められることもあります。

また、ステークホルダーに対してプロジェクトの状況を説明する役割を求められることも考えられます。

そのため、PMO内部でもメンバーをいくつかの職種に分け、役割を分担する形でプロジェクトを推進していく場合があります。

その職種や役割の分け方もプロジェクトによって異なりますが、一般的にはアドミニストレーター、エキスパート、マネージャーと呼ばれる職種に分けら、それぞれ異なる役割を持ちプロジェクトを進めていくことが多いです。

1.アドミニストレーター

アドミニストレーターは主に事務作業などの仕事を担当します。

例えば、プロジェクトで利用する備品やITツールなどを手配するための社内申請、定例会議などのスケジュール調整や議事録作成、新規のプロジェクトメンバーのサポート、などを対応します。

2.エキスパート

エキスパートはプロジェクトマネジメントの中核となる業務を担当することが多いです。

プロジェクト推進のためのルールの作成とプロジェクトメンバーへの説明、各部署・チームからの進捗情報の収集とその資料作成、プロジェクト内の課題解決に向けた作業の推進、などその業務は多岐にわたります。

高いコミュニケーション能力が求められるポジションになります。

3.マネージャー

マネージャーはPMOという組織を管理するポジションになります。

プロジェクトマネジメントを行うチームのマネージャーということになるため、PMOの中でも特にマネジメントスキルが求められるポジションになります。

基本的にはPMO経験の長いベテランの人材が抜擢されます。

マネージャーの仕事は主にPMOメンバーへの仕事の割り振りやその成果物に対するレビューなどがメインとなり、自ら手を動かして直接作業を行うことはあまりありません。

ただし、重大な課題が発生した場合など、重要なタスクに関しては率先して直接仕事を進めていくことが必要になる場合もあります。

必要なスキルや経験とは?

必要なスキルや経験とは?
ではPMOにはどのようなスキルが必要になってくるのでしょうか?

もちろん、プロジェクト推進求められる能力は様々で、細かいものを挙げるとキリがありませんが、特に必要になってくる基本的なスキルが存在します。

マネジメントスキル

PMOはその名前の通り「プロジェクトを管理するための組織」であることから、マネジメントスキルは必須と言えます。

PMOの仕事以外でも管理業務を経験できる仕事はたくさんあるため、何かを管理することに慣れておくことや、その際にどうすれば効率的に管理できるのかを考えていくことが大切です。

資格試験などを利用して机の上で一般的な管理方法を学ぶことは可能ですが、その場合実務では活かしにくくあまり好ましくはありません。

知識よりも経験が伴う形で学ぶことが重要になります。

コミュニケーションスキル

マネジメントスキルと同じくらい重要な能力になります。

PMOはプロジェクト管理の過程で、必然的に様々な部署やその所属メンバーとコミュニケーションを取っていく必要があります。

端的にコミュニケーション能力と言っても多岐にわたりますが、基本的なこととして、相手が不快にならないような言葉を選ぶことや、相手に合わせたコミュニケーション方法を選択することが重要です。

例えば、クライアントが特定のコミュニケーションツールを利用している場合は、同じくそれを利用し、クライアントがやり取りしやすい環境を作ることがポイントになります。

エンジニアからのキャリアチェンジについて

エンジニアからのキャリアチェンジについて
どんな職業でもその仕事で得た知識や経験を活かしてキャリアアップしていくことを考えることはあると思います。

仕事のやりがい、新たなスキルの取得、年収アップなどに繋がる可能性が高く、適切なキャリアチェンジであれば大きなメリットが期待できます。

ではエンジニアからPMOへのキャリアチェンジは適切なのでしょうか?

将来性豊か?エンジニアからPMOへの転職の意義について

実はSEやプログラマーなどITエンジニア経験のあるPMO人材は各業界で非常に需要が高くなっています。

優秀なエンジニアは特に多くの企業から引く手数多な状態となっており、経験が浅いエンジニアでさえも仕事が無く困ることはまずありません。

経済産業省は、2030年時点でIT人材は約45万人不足するという試算を出しており、今後も含めエンジニアの需要はますます増えていくことが予想されています。

出典:IT人材需給に関する調査(概要) 平成31年4月 経済産業省 情報技術利用促進課

DX推進により、ITスキルの高いPMOコンサルタントの需要が高まっている

DX推進により、ITスキルの高いPMOコンサルタントの需要が高まっている
IT人材の需要が高まる背景には、多くの企業でシステム開発や導入関連の需要が高くなっていることが挙げられます。

もちろん、業界によって程度の差はありますが、基本的にはどの業界もシステム開発・導入による業務効率化やビジネスモデルの変革に力を入れています。

特にDXの活用は社会的に活発になってきており、多くの業界で企業が市場価値を高めていく上で非常に重要な技術になっています。

経済産業省も企業のDXを強く推進しており、DX活用のためのガイドラインを作成し公式サイトで公開しています。

主に経営者に向けたDXのビジョン、戦略、エンジニア育成などに関する内容になっています。

このようなIT技術に対する大きなニーズにより、エンジニア経験を持ちITスキルの高いPMOコンサルタントの需要は言うまでもなく高くなっています。

IT関連のプロジェクトを管理するには、マネジメント経験があるだけでは難しい場合も多くなるためです。

PMOにはエンジニアからの専門用語などを含む報告などを理解する力や、プロジェクトで起こっているIT関連の難しい課題に関してITに関する知識をあまり持たないクライアントに説明する役割などが求められます。

マネジメント関連のスキル同様、ITのスキルもPMOに欠かせない能力になっています。

出典:「デジタルガバナンス・コード2.0」を策定しました (METI/経済産業省)

エンジニアから転職した場合の役割や年収の違い

エンジニアから転職した場合の役割や年収の違い

エンジニアからPMOコンサルタントに転職をした場合、やはりIT関連のプロジェクトを任される可能性が高くなります。

近年ではIT関連のプロジェクトが最も多いタイプのものとなっています。

IT関連のプロジェクトはエンジニア経験無しで管理することが難しいので、エンジニアから転職した場合はITプロジェクトでの活躍を求められることが多いです。

もちろん、PMOとして働く場合、そのプロジェクトの選択肢としてはIT以外のものも存在します。

たとえば、経営戦略の立案、社内業務プロセスの改善、新規事業計画の策定、などエンジニアが持つスキルとは系統が異なるものが求められるプロジェクトも多数存在します。

IT以外のプロジェクトに参画し仕事の幅を広げていきたいなど仕事の内容に関して希望があるのであれば、事前に採用の担当者に伝えておくと良いでしょう。

また、エンジニアの経験有りでPMOとして働く場合は年収の上でも有利になる可能性が高くなります。

IT関連のプロジェクトが他の案件と比べ絶対的に提示される年収が高いという意味ではなく、エンジニア経験を持っているということで応募できる求人や案件を増やすことができるため高収入を狙いやすくなります。

転職サイトやフリーランス向けの案件紹介サイトを確認すると、応募の必須要件にシステム開発関連の経験が求められるものが多くなっています。

例えば、Javaの経験が3年以上、ERPシステムの開発経験、Salesforceなど具体的な製品の導入経験、などの条件が記載されています。

転職先やフリーランスとして案件を選ぶ際により多くの選択ができるようになります。当然、条件の良い企業を選びやすくなるため、年収UPを狙いやすくなります。

まとめ

まとめ
今回はエンジニアからPMOへのキャリアチェンジに関して説明しました。エンジニア経験を持つPMOコンサルタントは非常に需要が高くなっています。

さらなるスキルを身につける、年収を上げる、社会的なニーズに貢献する、など様々なメリットがあります。

エンジニアとして働いている方に非常におすすめなキャリアになります。