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公開日:2025.05.15(木) 更新日:
PMOによる議事録作成は合理的!書き方や効果、メリットを詳しく解説

PMOによる議事録作成はさまざまなメリットがあることをご存じでしょうか?
議事録は会議での決定事項や課題解決方法を確認し周知するために重要です。
PMOが議事録を作成することで議事録以上のメリットを生み出します。
この記事ではPMOの議事録作成についてメリットや必要なスキル、向いている人を解説します。
PMOとは
PMO(Project Management Office)は、組織全体のプロジェクトを横断的に支援し成功に導く組織です。
PMOはプロジェクトの支援以外にも、マネジメント標準の制定やマネジメント人材の育成といった多岐にわたる活動を行います。
PMOの職種は以下の通りです。
職種 | 内容 |
---|---|
PMOアドミニストレータ | プロジェクトを直接支援する |
PMOエキスパート | プロジェクトを技術的に支援する |
PMOマネージャ | PMOチームのマネジメントを行う |
議事録やドキュメントの作成は主にPMOアドミニストレータが担います。
PMOアドミニストレータはプロジェクトの直接支援を通して、プロジェクトの円滑な推進を実現する存在といえるでしょう。
議事録の書き方と効果
議事録とは会議や打ち合わせなどの内容を記録した文書で、プロジェクトにおける公文書です。
会議の後、速やかに議事録を作成し回付することで、決定事項に対する認識違いを予防する効果も持ちます。
議事録に記載し承認された事項は、社内関係者だけではなく取引先に対しても有効です。
議事録は単なる記録に留まらず、関係者間の認識のずれを防ぐための重要なツールといえるでしょう。
議事録の書き方
議事録に決まった様式はありませんが、以下の記載が必要です。
- 会議で決定された事項を漏れなく記述する
- 会議で話し合われたリスクや課題に対して、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を明確に記述する
- 会議で決定に至った経緯を記述する
決定に至った経緯を記載する理由は、なぜその決定がなされたのか、どのような議論があったのか、のちに意思決定プロセスの確認や改善が行えるようにするためです。
議事録はプロジェクトの対応方針や意思決定の過程を改善するといった、振り返りのツールともいえるでしょう。
議事録の効果
議事録を作成した後は、以下を確認する必要があります。
- 議事録が関係者全員にもれなく送付され、内容が周知されているか
- 会議で決定した事項や対応方針に認識の違いがないか
これらを確認することで、以下の効果が期待できます。
- 顧客や関係者間で「言った・言わない」が発生しない
- 決定事項や課題の対策が確実に履行される
議事録は迅速な意思決定を可能にし、不要なトラブルを防止するために重要な役割を持つ文書といえるでしょう。
PMOによる議事録作成のメリット
議事録には上述した効果がありますが、PMOによる議事録作成は円滑なプロジェクトの推進に有効です。
ここでは、PMOによる議事録作成のメリットを紹介します。
プロジェクトとしてのメリット
PMOは管理業務やPMのサポートによりプロジェクトをスムーズに推進する役割を持ちます。
PMOが議事録を作成するメリットは以下の通りです。
メリット | 内容 |
---|---|
決定内容の確実な管理 | 会議の決定事項や課題・リスクの対応方針が、間違いなく履行されているかモニタリングし管理する |
コミュニケーション管理による議事内容の周知 | 決定事項や課題・リスクの対応方針が必要な関係者全員に周知されているか、認識のずれがないかを確認する |
議事録作成や共有といった事務的サポート | 議事録の作成や送付、課題やリスクに対する進捗管理をPMOが請け負い、PMの負荷を軽減する |
PMOによる議事録作成は、PMがよりプロジェクトに専念できる環境を整え、プロジェクトの大きなメリットとなるのです。
PMOとしてのメリット
PMOの議事録作成はPMO自身の成長にも繋がります。
議事録作成によるPMOとしてのメリットは以下の通りです。
効果 | メリット |
---|---|
プロジェクトの理解度を深める | 議事録作成を通して、必要な用語や業務の内容、どのような業界かを理解する手助けになる |
会議出席者とコミュニケーションを深める | 作成した議事録の送付や決定内容の履行確認により、会議出席者とのコミュニケーションを通して円滑な関係を構築できる |
プロジェクトのスキルやマインドを習得できる | 課題や問題をどのように解決すればよいのか、どのように円滑に進めればよいのかノウハウを習得できる |
重要な意思決定会議や課題・リスクの解決方法を決める会議の出席者は、経験豊富なPMや優秀なマネジメントスキル保有者が参画します。
実践的なプロジェクトマネジメントの手法やスキルをじかに学べる、またとない機会といえるでしょう。
PMOアドミニストレータの役割と必要なスキル
PMOにおいてプロジェクトの直接的支援は、主にPMOアドミニストレータが担います。
ここではPMOアドミニストレータの主な役割と必要なスキルを紹介します。
役割
PMOアドミニストレータの基本的な役割は以下の通りです。
- 資料や議事録などのドキュメント作成
- 会議参加者の調整、アジェンダ作成、会議室の確保、会議の開催
- プロジェクトの進捗管理、リスク管理、課題管理やスケジュール調整
- プロジェクト遅延に対する関係者への連絡、状況確認
PMOアドミニストレータが役割を十分果たすことで、PMがよりプロジェクトマネジメントに専念できる環境が整います。
PMOアドミニストレータはプロジェクト全体に貢献する、縁の下の力持ちのような存在と言えるでしょう。
詳しくは以下のリンクをご参照ください。
必要なスキル
PMOアドミニストレータの役割は議事録に関するスキルだけがあれば良いわけではありません。
PMOアドミニストレータに必要なスキルは以下の通りです。
必要な能力 | 説明 |
---|---|
文書作成能力 | 文章を「正確に」「簡潔に」「論理的に」誰が見てもわかりやすい文書を作成する能力が求められます |
コミュニケーション能力 | 物事を正確に把握するために「傾聴」し、不明点を残さない「質問」する能力が求められます |
リスクマネジメント能力 | プロジェクトの潜在するリスクを「検知」・「分析」し、「対策」を検討する能力が求められます |
いずれもすぐに身につく能力ではありませんが、PMOアドミニストレータとしての実務経験を積んでいくことで必要なスキルを習得可能です。
PMOアドミニストレータはこれらのスキルにより、スムーズな意思の疎通と潜在的な問題を防止し、プロジェクト成功の土台を築く存在といえるでしょう。
PMOはやめとけと言われる理由
PMOは「やめとけ」といわれるケースがあります。
これは、PMOの役割にドキュメント作成や会議の主催といった地味な仕事が多く、評価されにくいといった特徴があるためです。
プロジェクトが成功してもPMOの貢献が評価されにくければ、やりがいがないと感じる人もいるかもしれません。
しかし、さまざまなプロジェクトへの参加を通して幅広い知識やスキルを習得したり、多くの関係者とのやり取りを通してコミュニケーション能力や交渉力を習得したりできます。
PMOはスキルの習得とキャリアパスの形成にうってつけの職種といえるでしょう。
PMOに向いている人
PMOの仕事は誰にでも向いているわけではありません。
PMOに向いている人の特徴は主に以下の通りです。
- 文書作成が苦にならない
- コミュニケーションが得意
- 新しい技術の習得が苦にならない
特に、生成AIなどの新技術を用いたプロジェクト推進などは、新しい技術の習得が必要です。
これらの特徴を持っていなくても、PMOアドミニストレータとして実務を積めば能力を習得できるでしょう。
記事のまとめ
PMOの議事録作成により関係者への確実な意思疎通と、円滑なプロジェクト推進が可能です。
会議で決定した事項や方針を漏れなく関係者へ周知し確実な履行が実現できるだけでなく、プロジェクトの運用とキャリアパス形成にもメリットがあります。
実践的なプロジェクトマネジメントの手法やスキルを習得できるPMOに参画してはいかがでしょうか?