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公開日:2025.09.01(月) 更新日:
ITコンサルタントになるには何をすれば良い?具体的な事例や必要なスキルを紹介

ITコンサルタントは、企業の課題をITで解決する専門職として注目されています。
「ITコンサルタントになるには何が必要?」「未経験でも目指せる?」「どんなスキルや資格が役立つ?」といった疑問を持つ方は多いでしょう。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の需要が高まる2025年、ITコンサルタントはさらに重要な役割を担っています。
この記事では、ITコンサルタントになるための具体的なステップ、必要なスキル、役立つ資格、キャリアパスを初心者向けにわかりやすく解説します。
ITコンサルタントとは?仕事内容と魅力
そもそITコンサルタントとはどのような仕事なのでしょうか?本章では、仕事内容やその役割について見ていきます。
ITコンサルタントの役割と仕事内容
ITコンサルタントは、クライアント企業の経営課題や業務効率化をIT技術で解決する専門家です。
例えば、小売業の売上低迷を解決するため、顧客データを分析するシステムを提案したり、製造業の生産ラインを効率化するIoTツールを導入したりすることなどが例として挙げられます。
主な業務は以下の4つに分類できます。
課題のヒアリングと分析 | クライアントの経営陣や現場担当者から課題(例:売上減少、業務の非効率)を聞き、原因を分析。 |
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IT戦略の立案 | 課題解決に最適なITツールやシステム(例:CRM、ERP)を提案し、導入計画を策定。 |
プロジェクト管理 | システム導入プロジェクトをリードし、スケジュールや予算を管理。 |
運用支援 | 導入後のシステム運用や改善をサポート。 |
ITコンサルタントは、システムエンジニア(SE)とは異なり、システム開発の「上流工程」を担当します。
SEがシステムを構築するのに対し、ITコンサルタントは「どんなシステムが必要か」を考え、クライアントと開発チームの橋渡しをします。
電通デジタルの調査(2021年)によると、日本企業の81%がDXに着手しており、ITコンサルタントの需要は高まっています。
「顧客の期待に応えられていない」企業が4割も コロナ禍で、DXがさらなる全社重要課題に
https://www.dentsudigital.co.jp/news/release/services/2022-0111-001215
ITコンサルタントの魅力とやりがい
ITコンサルタントの魅力には主に以下の3つが挙げられます。
- 平均年収が高い
- 社会への影響力が高い
- 柔軟性のあるキャリアが築ける
ITコンサルタントの年収は、他業界の水準よりも高く設定されていることが多いです。
厚生労働省が運営するjob tagによると、ITコンサルタントの年収は600万円から1,100万円となっています。
また、企業の経営課題を解決し、ビジネスの変革に携わることができるため、売上や会社に影響力を与えられる点も魅力の一つだと言えます。
さらに、転職やフリーランス、起業など様々な選択肢を確保することができるため、柔軟なキャリアを形成できるでしょう。
やりがいは、クライアントの課題解決を通じて感謝されることや、最先端技術(AI、IoT)に触れられる点です。
一方で、クライアントの期待に応えるプレッシャーや、プロジェクトの納期による長時間労働もあるため、やりがいと負荷のバランスを理解しておくことが重要です。
出典:職業情報提供サイト(job tag)
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/362
ITコンサルタントになるには?必要なスキルと準備
ここまで、ITコンサルタントの仕事内容や魅力について紹介しました。
ITコンサルタントになるにはどのようなスキルや準備が必要なのか、具体的に紹介していきます。
必要なスキル
具体的な資格の保有は必要ではありませんが、ITコンサルタントになるには、以下の3つのスキルがあると、転職活動で有利に働くでしょう。
- 論理的思考力(ロジカルシンキング)
- コミュニケーション能力
- IT知識
これらのスキルは、未経験者でも学び直しや実務で身につけられますが、ITコンサルタントとして活躍するには、それぞれを高いレベルで磨く必要があります。
各スキルについて具体的に掘り下げていきます。
論理的思考力(ロジカルシンキング)
論理的思考力(ロジカルシンキング)は、複雑な情報を整理し、課題の原因を特定し、解決策を体系的に導くスキルです。
ITコンサルタントにとって、クライアントの課題を「なぜ起きているのか」「どう解決すべきか」を明確にする基盤となります。
例えば、小売業のクライアントが「売上が落ちている」と相談してきた場合、ITコンサルタントは以下のように進めます。
- 課題の構造化
→売上低迷の原因を「顧客離れ」「在庫過多」「マーケティング不足」に分解。 - 原因分析
→データ分析で「在庫管理の非効率」が主因と特定。 - 解決策の提案
→在庫管理システム(例:WMS)の導入を提案し、売上向上のシナリオを提示。
このプロセスでは、MECE(漏れなくダブりなく)やピラミッドストラクチャーといった論理的思考のフレームワークが活用されます。
論理的思考力はコンサルティングファームの選考や実務で最も重視されるスキルの一つです。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、クライアントのニーズを正確に把握し、複雑なITソリューションをわかりやすく伝えるスキルです。
ITコンサルタントは、経営陣や現場担当者と対話し、信頼関係を築く必要のある場面に出くわすことが多い仕事になるので、コミュニケーション能力は重要なスキルであると言えます。
実務では、「ヒアリング」「プレゼンテーション力」「交渉力」が備わっていると円滑に業務を進められるでしょう。
優れたコミュニケーションは、クライアントの信頼を獲得し、プロジェクトの成功率を高めます。
ITコンサルタントは特に、IT知識が少ない経営者にもわかりやすく説明する力が求められます。
IT知識
IT知識は、システム開発の基礎や最新技術(AI、クラウド、IoT)のトレンドを理解するスキルです。
ITコンサルタントは、開発者ほど深いコーディングスキルは不要ですが、クライアントに適切な技術を提案できる知識が求められます。
求められる知識には以下のようなものが挙げられます。
システム開発の基礎知識 | 要件定義、設計、テストのプロセスなど |
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クラウド技術 | AWS、Microsoft Azure基本機能など |
最新技術 | AI(機械学習)、IoT(スマート工場)、RPA(業務自動化)の概要 |
データ分析 | SQLやTableauで売上データを分析し、経営判断を支援 |
これらの知識は、クライアントの課題に最適なITソリューションを提案するために必要となるため、資格取得や日々の勉強は欠かさず行うことが重要です。
未経験からITコンサルタントになるには?
上述した通りITコンサルタントに必須の資格や学歴はありませんが、IT業界での実務経験があると有利です。
具体的には、システムエンジニア(SE)やプログラマーとして2~3年働き、システム開発の流れ(要件定義~運用)を学んでから、ITコンサルタントのポジションに応募することは有効な手立ての一つだと言えます。
また、文系出身や営業など異業種からでもIT知識を学びコミュニケーション能力を活かせばITコンサルタントになることも可能です。
未経験でも申し込める求人は競争率が高くなる傾向にありますが、そういった募集を見かけたら挑戦しても良いかもしれません。
記事のまとめ
ITコンサルタントになるには、論理的思考、コミュニケーション、IT知識の3つのスキルが鍵です。
未経験でも、SEとして2~3年の経験を積み、ITパスポートや、基本情報技術者試験をはじめとするITにまつわる資格を取得することで、転職のチャンスも広がるでしょう。
重要なのは、常に最新の技術動向にアンテナを張り、クライアントの課題解決に真摯に取り組む姿勢を持つことです。
ITコンサルタントは決して簡単な仕事ではありませんが、働きぶりによってクライアントの課題解決や売上改善に直結するため、やりがいや魅力を感じる場面も多いです。
また、今後のキャリアパスも多様であるため、可能性を秘めた仕事でしょう。
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