PMOになるにはどんな経験が必要?有用な資格とスキル、年収など全部解説

公開日:2023.10.27(金) 更新日:

ITの知識や経験を持つ人材はPMO案件で採用されやすい!

PMOになるにはどんな経験が必要?有用な資格とスキル、年収など全部解説

PMOは特にその将来性が高いことからおすすめの職種の一つです。

ただ「PMOへの転職は難易度が非常に高そう」と感じている人は多いのではないでしょうか?

確かにPMOコンサルへ転職は、業務経験が無いとチャンスは少ないでしょう。

しかし、PMOの役割を正確に理解し、資格試験でのスキルアップや普段の仕事でマネジメント関連の経験を積んでいくことで可能性を高めることはできます。

PMOへ転職しやすい職業とそうでないものがあることは事実ですが、PMO自体はマネジメント業務がメインとなるため基本的にはどんな職業でも経験を積んでいくことは可能です。

この記事ではPMOになるために必要な経験をはじめ、求められるスキルや資格などについても解説していきます。

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の役割

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の役割

PMOの役割はプロジェクトによって異なります。

そのため新規プロジェクトに参画する場合のPMOコンサルの最初の業務は、「クライアントから何を求められるのか正確に把握すること」と言えるでしょう。

クライアントから「使えないPMO」というレッテルを貼られないためにも、一つ一つの現場で役割を明確にすることが必要になります。

PMOとPMの違い

PM(Project Manager)はプロジェクトの責任者で、PMO(Project Management Office)はプロジェクトマネジメントを業務とするチームになります。

つまり、PMは「人」、PMOは「組織」を指します。

PMは判断することが主な役割です。

下記のような、プロジェクトを推進していく上で重要になる事項を判断します。

  • どの目的を優先するか
  • どのような方法でタスクを管理していくか
  • 問題を解決するためのソリューションとして何を選ぶか など

また、プロジェクトの特性に応じてPMOにどんな人材を集めるべきか検討・決定することもあります。

それに対し、PMOはPMをサポートする役割を持ちます。

PMの判断に必要な情報を収集し、決定事項を遂行していくのです。

プロジェクトを成功させるためにはプロジェクト内部であらゆる要素を管理し、状況を常に把握していくことがポイントです。

PMOの対象となる要素はプロジェクトによって異なります。

タスク、スケジュール、課題などは基本的にどのプロジェクトでも管理されますが、それに加えその現場特有のものが対象になることもあるでしょう。

例えば、新規事業構築プロジェクトであれば市場ニーズ調査の結果、ITプロジェクトであれば開発システムの品質、業務改善プロジェクトであれば効果測定結果と目標値、など臨機応変な対応が求められます。

PMOメンバーはどんな役割に分かれる?

PMOメンバーはどんな役割に分かれる?

PMOの役割は多岐に渡るため、PMO内部でいくつかのポジションに分かれることもあります。

プロジェクトによって異なりますが、アドミニストレーター、エキスパート、マネージャーという3つの役割に分けるのが一般的です。

出典:日本PMO協会|NPMO

アドミニストレーター

アドミニストレーターは、事務的な作業が中心になります。

プロジェクト関係者のスケジュール調整、打ち合わせの議事録作成、日々の進捗状況確認などが仕事になります。

エキスパート

エキスパートはPMOの中核を担うポジションです。

プロジェクト推進のルール策定、タスクの優先順位確認、チーム間にまたがる課題の対応推進など、幅広い役割があります。

マネージャー

そして、マネージャーはPMOという組織をまとめることが主な役割です。

プロジェクトおよびPMO業務を全体的に俯瞰し、プロジェクトが適切に推進されていくよう努めます。

プロジェクト全体に影響する大きな問題が発生した場合の対処や、PM(プロジェクトマネージャー)、PO(プロジェクトオーナー)への報告など、重要なタスクを担当します。

PMOの年収はどれくらい?

PMOの年収はどれくらい?

PMOは他の仕事と比較すると高年収が期待できるため、その意味でも転職先としておすすめです。

IndeedでPMOの年収を調べてみると約814万円となっています。

国税庁が発表している日本人の平均年収は約443万円となっており、給与面ではかなりメリットのある職種と言えます。

ちなみにPMOコンサルは、システムエンジニアやITコンサルタントから転職してくる人材が多いです。

現代は各企業でIT関連プロジェクトが頻繁に企画されており、ITの知識や経験を持つ人材はPMO案件で採用されやすくなっています。

また、IT人材からもPMOは収入面で利点があります。

システムエンジニアの年収は約448万円、ITコンサルタントは約614万円となっています。

PMOコンサルは年収が高く、かつ将来的にも企業側から高いニーズが期待できる魅力ある職種と言えるでしょう。

参考:日本でのPM・PMOの平均給与, 第6表 企業規模別及び給与階級別の総括表(合計) 国税庁 令和3年, 日本でのシステムエンジニアの平均給与, 日本でのITコンサルタントの平均給与

PMOになるために必要な経験と求められるスキル

PMOになるために必要な経験と求められるスキル

PMOコンサルとしてのキャリアを歩む場合、適切な経験とスキルが必要です。

特にPMOに求められる能力は机上で学ぶことが難しい部分があり、経験で評価されることが多くなります。

PMOとしての成長を考えるには、どんな経験やスキルを持つべきか常に考えておくといいでしょう。

会社でもフリーランスでも、どんなプロジェクトで働きたいのか希望を出すことはできるはずです。

経営、IT、業務、などプロジェクトの種類はたくさんあるため、どの分野で活躍していきたいのか明確にしておきましょう。

人事部などに希望の領域を伝えておくことで、理想的なスキルアップに繋がるはずです。

マネジメントスキル・経験

PMOはプロジェクト管理がメインの役割となるため、マネジメントスキルは必要です。

そして、マネジメント手法は状況に合わせて最適化していくことになるため、その経験も必要になります。

たとえば、社内業務改善のプロジェクト場合でも、業界によってマネジメント手法は異なり、また、管理対象とする情報の粒度も異なります。

マネジメント手段に絶対的な正解はありません。

PMOはプロジェクトに合わせてその最適な方法を検討し、必要に応じて改善していくことが求められます。

コミュニケーションスキル

PMOは管理の役割が求められるため、必然的にコミュニケーションスキルも重要になります。

PMOが組織されるプロジェクトは、大規模かつ長期なものになることが多く、推進していく過程で、多くの部署と協力していく必要があります。

  • プロジェクトオーナーへ進捗状況や結果を報告する
  • 業務担当者と要件の優先順位付けを行う
  • エンジニアとシステム仕様を検討する

たとえば、システム開発・導入のプロジェクトでは、業務担当者とシステムエンジニアの間に立ち、ITソリューションで対応する領域とそうでないものを切り分けていくような役割が求められます。

そのため、コミュニケーション能力はPMOとして働いていく上で重要視されるスキルになります。

ITスキル、ITプロジェクトの経験

社会的にDXが推進されており、多くの企業がITプロジェクトを立ち上げている中、ITスキルおよび経験は重要視されています。

経済産業省は2030年にIT人材は最大で約80万人不足すると試算しており、転職サイトのIT関連案件は未経験であっても応募可能なものも多いほどです。

つまり、ITプロジェクトの数に対し、人材が圧倒的に足りていない状況です。

今後も企業のプロジェクトはIT関連が他の種類の案件と比較して大部分を占めることが予想されます。

PMOコンサルとしても、IT関連のスキルおよびプロジェクト経験は採用過程で大きな強みになることは間違いありません。

役立つ資格を紹介

役立つ資格を紹介

PMOを目指すのであれば資格試験での学習も有効です。

もちろんPMOは経験から得られるものの方がより重要にはなります。

しかし、実際の業務から学んでいく方法だけだとどうしても偏った知識やスキルが身につくことになります。

そこで資格試験をうまく活用し、この問題を解決しましょう。

プロジェクトマネジメントを体系的に学ぶことができます。

幸いPMO関連の資格は種類が豊富でそれぞれに特長があります。自分のレベルや希望する領域に合わせて資格試験を選択しましょう。

日本PMO協会認定資格

一般社団法人の日本PMO協会が提供する資格です。

プロジェクトマネジメントの基礎を体系的に学ぶことができます。特に前提となる受験資格などはなく、学習が進めやすいということが特徴です。

映像授業で学習を進める形式になっており、パソコンだけでなくスマートフォンでも視聴可能です。

資格はレベル別で複数用意されています。

たとえば、PMOの基礎を学習できる「PMOスペシャリスト(★)™認定資格」であれば、映像型eラーニングで約4時間、学習は約20時間が目安となっており、短期間での資格取得が狙えます。

また、試験に関してもパソコンから受験できるようになっていることも利点の一つです。

マネジメント業務未経験の忙しい社会人であっても、仕事のスケジュールを優先しながら無理なくスキルアップできるでしょう。

PMP🄬

米国の一般社団法人であるPMI(プロジェクトマネジメント協会)が提供する資格です。

PMP🄬を取得する最大のメリットは、プロジェクトマネジメントにおける「経験」と「知識」の両方を証明することができる点にあります。

本資格を取得する場合試験に合格することはもちろんですが、それだけではなく受験資格としてプロジェクトマネジメント経験が必要になります。

たとえば、大学卒業者であれば直近8年間に3年以上かつ4500時間以上のプロジェクトマネジメント経験がないと受験できません。

またこれに加え35時間の公式研修の受講も必要になるため、そもそも受験条件のハードルが非常に高い資格になっています。

さらに、この資格は3年ごとに更新も必要です。

以上のことから、PMP🄬はPMO関連の資格の中でも最も取得難易度が高いものになります。

その分高いプロジェクトマネジメント能力の保持を証明できるためおすすめの資格の一つです。

海外企業への転職時に評価されやすい点も魅力になります。

プロジェクトマネージャ試験

本資格の特徴としては、プロジェクトマネジメントだけでなく、IT関連の専門的な知識も習得できます。

IPA(情報処理推進機構)が提供する資格となっています。

IPAはこの他にも、以下のようなIT領域の資格試験を数多く提供する団体です。

  • ITパスポート
  • 基本・応用情報技術者試験
  • ITストラテジスト
  • システムアーキテクト
  • ネットワークスペシャリスト
  • データベーススペシャリスト
  • 情報セキュリティマネジメント など

そのため、ITプロジェクトのPMやPMOを務める上でのスタンダードとなる資格試験と考えられています。

【記事まとめ】クロスオーバー株式会社なら、現職の経験を活かせます

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今回はPMOに求められる経験を中心に解説しました。

PMOは社会的に需要が高く今後も多くの企業やプロジェクトで重要な役割を担い活躍していける職種です。

そして、クロスオーバー株式会社はDX推進プロジェクトなどPMOコンサルタントが活躍できる案件を数多く抱えています。

現在は採用も積極的に実施しておりますので、PMOとして働きたい場合はぜひクロスオーバー株式会社をご検討下さい。

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